気になる青森県

いま青森県ねぶた祭りっていうのがやっているみたいです。最近、青森県に行きたい熱が再発しています。まだ一度も行った事のない県の一つなのです。


僕の青森県への関心は、高校生の頃、Y田君というまぶいダチと青春18切符を買って、青森に行く計画を立てていたことに始まりました。高校一年のとき席が隣だったY田君はEPMDやRUN DMCPUBLIC ENEMY等のマニアで、僕の内蔵メモリーにHIP HOPという俗物を上書き保存した張本人です。さらにバスケットボールで東京都選抜に選ばれるような選手でした。ちょうど高一から高二にあがる頃、NIKEの3on3の大会で優勝してその特典としてNIKEのCM撮影でフェニックスサンズのケビン・ジョンソン選手と競演できるという涎の垂れるような話があったんですが、Y田君はタイミングよくテストで留年しまいアメリカでの撮影に行けなかった(他の二人は無事に行ってNIKEのCMに出た)という悲しい事件がありました。

DR.DREの"DRE DAY"のレコードをなぜか6枚買ったHIP HOPERで、大のNBA好き(NWAも好き)高校生としては二度とないような話を逃してしまったY氏と、体操服にマジックでEPMDのロゴを書いてマラソン大会に出たら先生に剥がされて、上半身裸で真冬の湖の周りを走っていた負け犬の私がつるんでやることと言えば、学校帰りにレコード屋に行くか、スクラッチ練習するかアメ横で煙草を吸うか。休みにそれじゃあつまらないから、カセットテープを沢山作ってラジカセを持って旅でも行きますか?となりました。

青少年の愛読書「ジョジョの奇妙な冒険」以外にも、山根キクの「キリストは日本で死んでいる」や、広瀬隆の「地球のゆくえ」を読んで影響受けまくっていた高校生の僕らにとって青森県は旬でした。六ヶ所村に行ってガイガーカウンター放射能を測定したり、恐山に行ってイタコと話したり、キリストの墓にお参りに行ったり、興味深いイベントが沢山待っていました。だから九割九分青森行きは決まっていたかに見えたのですが、直前になって、やっぱ大阪にたこ焼き食いにいくっしょ?ってことになり、アメ村近辺で買い食いしたりCISCO心斎橋店に行ってレコードを買ったり、最後は鳥取まで足を運び水木しげるロードに行って妖怪を見て帰って来たという、謎の旅をしてしまいました。


当時はステレオタイプな先入観とオカルトチックな目的で青森行きを夢見ていた私ですが、今では青森の自然とか風土のほうに興味があります。さいきん寺山修司監督の「田園に死す」(1974)っていう映画を見てますます思ったのですが、恐山のあの景色は生で見てみたいです。そして知人の話ではHIP HOP熱もあついと聞く。年内に実現できるか青森行き。