今週の反省文

反省点その1。冬に居間に敷いたふかふか起毛の絨毯がとてもいまいましい。
だからこれを外して御座でも敷きたいと思うのですが、ゴザはずっと座っていると脚に跡みたいなのが残りますよね。そんな訳なんで椅子に座っています。扇風機は首が回らない(縁起悪いな)タイプなので、ずっと風が当たっています。

ところで音楽を聞いて良いなと思う瞬間「ちょっといいな」と「だいぶいいな」の違いを言い表すのが難しい。文筆家じゃないからそのようなスキルは不要なのですが、最低限仲間内で話しているときくらい、それを伝えたいこともある。

私は涎をたらしながら音楽を聴いて喜んでいる変態のオタクだ。
しかしその言い方は社会的に印象が良くないのでこのように言い換えている。
僕は音楽を分析することもなく、自分の好きな曲をたくさん集めて聞いている、多少趣味の変わった、やたらと詳しい、音楽ファンである。
このように簡単に言おうとすると誤解を招きがちな話でも、丁寧に説明すればみんな僕の言いたい事を分かってくれるはずである。

ラップと一言で言っても、トピック、リリック、スキル、デリバリー、声とか色々ポイントがあると思うので、どこが良いと思うのかを一言くらい説明加えた方がいいと思った(反省点その2)。それにしてもそのバランスが総合的に凄い人ってなかなかいないものなのですが、トータルで凄くなくてもスキルがめちゃめちゃあったり、歌詞が良かったりしてそれだけでかっこいい人はたくさん居る。だからラップをみんな同じ尺度で評価するのは難しいなあと最近改めて思いました。みんな目指しているラップの世界観が違うからですねきっと。

そんなときに歌詞、トピック、フロウ、デリバリー、それからスキルって考え直したら、やっぱり志人が日本ではずば抜けている存在だなあと再認識しました。僕の聞いているヒップホップと聞き比べても世界レベルなのは彼なんじゃないかと。僕の趣味とか関係なく客観的にそう思うのです。

そして期待を寄せているラップ・アーティストがもう一人居て、今はハワイのホノルルで活動しているMEISO選手です。全項目が僕の期待値を超えているMCです。この人についてはまた日を追って紹介していきたいと思います。



追記。

大昔、誰かが日本のヒップホップはアメリカと比べて10年遅れているみたいなことを言っていて、そのときは何を寝ぼけたことを、と思っていましたが、実際はどうなのか分からないですよね。アメリカと日本ではMCをやっている人口も違うし人種も言語も違うからそれこそ同じ尺度では測れないことだと思うけれども。

僕はアメリカをやたらと崇拝しないけど(むしろアメリカ資本主義を敵対視している趣も最近はある)、ことHIP HOPに置いては発祥の地であり元はあの国の文化であるわけだから、ラップを本気でやる以上は本場のシーンを生で体験することは必要不可欠なんじゃないかと思います。あわよくばサイファーやオープンマイクに参加すれば自分のレベルを知るチャンスにもなるかもしれないですし。

僕が初めてカリフォルニアのベイエリアShing02選手にあった97年、彼がLiving Legendsのキャンプで延々にフリースタイルのサイファーしているのを見て、日本のラップシーンとは明らかに次元の違う風景でした(NYのフリースタイルともレベルが全然ちがった)。そのような場所でスキルを磨き上げてきたShing02選手の最初のアルバム「絵夢詩ノススメ」を聴いて、そのかっこよさのうち最も特質すべきは曲のトピックと歌詞でした。「東京の通り」という曲を最初に聴いたときに僕が感じたのは、認識してはいたけど突っ込まれたくなかったところをえぐられたような、HIP HOPそのものでした。