CUTS OF THE TIMES 1 mixed by DJ KENSEI

オリジナルは 1998年3月発表。DJ KENSEI 氏が手掛けたミックス・テープ「CUTS OF THE TIMES」の、リリース10年を記念した復刻盤が3月21日発売予定です。第二版は、「CUTS OF THE TIMES 1」と「TAGS OF THE TIMES 1」が2枚1組 2CD 仕様。特設頁建設中 公開しました→ http://www.maryjoy.net/cd-044.html

1998年の発表以来、「カセットテープが伸びたり、切れたりして聞けなくなったので、再発してほしい」というリクエストが多く、加えて、2000年代から聞き始めた新しいファンの人にも当時の緊張感たっぷりのHip Hop地下的詩音世界を知って貰おうと思い、DJ KENSEIさんと相談して、10年の節目に復刻盤を出すことになりました。DJ KENSEI さんの伝説的なミックス・テープの一つで、かつ、Mary Joyの初期代表作です。
97〜98年の頃、既にHip Hopを聞いていた人はだいたい知っていると思いますが、最近Hip Hopを聞き始めた人には、馴染みがない、或いは名前しか聞いたことがない、と思うので、簡単にプロジェクトの概要を説明したいと思います。

「TAGS OF THE TIMES」というのは、98年から2001年までMary Joyが企画していたHip Hopのコンピレイションのシリーズで、98年発表の「1」、99年発表の「2」と2001年発表の「3」の三作がリリースされています。簡単に言えば、インディペンデント・ヒップホップの作品集です。原産国は主に北米ですが、Shing02 と MURS の2人は全シリーズ参加しています(あとなにげに EL-P も、っすね)。タイトルの通り、それぞれの時代のHip Hopの断片を切り取ったような編集になっていて、これを聞けばこの時代のインディペンデント・ヒップホップ・ムーブメントの一端が分かる、という働きもします。(万葉集みたいなものだと思って下さい…、ってもっと分かり難い?)

その「TAGS OF THE TIMES」の収録音源を DJ KENSEI さんがミックスしたのが「CUTS OF THE TIMES」で、98年発表の「1」と99年の「2」があります。今回再発になるのは、98年3月発表の「CUTS OF THE TIMES 1」です。これは、2台のターンテーブルと1台のミキサーを使ってDATに一発録り、です。スクラッチ、ミキシング、ジャグリングと、スキルの高さも凄いんですが、それ以上の何か……、エクトプラズムみたいなものも録音されている気がします(実際に見たわけではありません)。それくらい神憑っていると思います、この録音は。

97年や98年の時代背景は、書きたいことは沢山あるのですが、今回は、僕らの仲間(運ぶ音協会)の栗原大さんがライナーノーツを書いてくれることになったので、彼の原稿を楽しみにしたいと思っています。栗原さんは当時、最も濃密なレコード屋の「Mr.Bongo」で働いていて(最初バイヤー、最後は店長)、彼と知り合ったきっかけもこの「TAGS 1」と「CUTS 1」でした!

収録曲とか、詳しくは次回以降のエントリー、をお待ち下さい。