今週は

DJ BAKU氏の7月リリース予定のニューアルバムにShing02選手が一曲参加することが決まり、その録音をやりました。アイディア交換は前にBAKU君がスタジオに遊びに来て話したり、メイルでやりとりしたりなど、短い時間でしたが密にしたようで、曲も良い仕上がりになりそうです。BAKU氏のアルバムをオタノシミに。リリース詳細は後でアップしますね。


スタジオからの帰り頭の中でこの曲がずっと流れていました。やっぱりFUJI ROCKPUBLIC ENEMYが出演するのが気になって仕方ないようです。


PUBLIC ENEMY
911 IS A JOKE

この「911 IS A JOKE」が収録されているPEの3RDアルバム「FEAR OF A BLACK PLANET」は僕が最初に聞いたラップのアルバムのうちの一枚で、同じアルバムにスパイク・リー監督映画「DO THE RIGHT THING」の主題歌「FIGHT THE POWER」も収録されています。高校の頃は目覚ましアラームがこの「BLACK PLANET」でした。

911は救急車とかレスキュー隊を呼ぶ電話番号で日本でいうところの119と同じです。昔CBS「Rescue 911」っていうドキュメンタリー番組(ちょっとやらせ臭かった)があって、日本では所さんの「世界丸見え」でも紹介されていましたね。この「911 IS A JOKE」という曲は公的な救援活動における人種差別の実態をフレイヴァー・フレイヴが批判した曲です。BOMB SQUADの規格外のサンプリング・センスと、フレイヴァー・フレイヴの奇抜なラップが相まってスゴイ曲になっているのですが、時間が経って聞き直すと色んな思いが派生していきます。

アメリカの文化に対して僕は常に敬意を払っていて、いまも基本的には変わらないのですが、昔は勝手に思い込んでいたこともたくさんあって、それがたまたま2001年の9.11をきっかけにしてガラガラと崩れていった気がします。しばらくはアメリカの映画にも音楽にも感心が薄れていたのは事実で、だけど昔のヒップホップを聞くとやっぱり熱い思いがこみ上げてくるみたいです。

911 IS A JOKE」は救急車の話なのですが、アメリカは医療費が滅茶苦茶高くて保険の制度も加入者に不利に出来ているらしいです。その辺のアメリカの医療問題についてはマイケル・ムーア監督の突撃取材映画「シッコ」が分かりやすいです。医療費や救急車を呼ぶお金が払えずに病気や怪我で死ぬ人が沢山いるのがアメリカなのです。

アメリカの抱える諸問題を広く浅く網羅した町山智浩氏の著作「アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない」というコラム集は、一瞬で読める割に栄養価が高くてオススメです。あと、越知道雄先生(明治大学の先生でした)と町山智浩氏の対談集「オバマ・ショック」も興味深いです。町山氏はこの二作品で初めて知ったコラムニストなんですが、かなり面白い人です。実際にサブルライム・ローン崩壊の流れを、自身のマイホーム購入などの体験談を入れて話していて分かりやすいです。金融問題、金融腐敗に関しては広瀬隆氏の著作がかなり詳しいです。僕がいま読んでいるのは「資本主義崩壊の首謀者達」という新書です。熱いです。というかむかつきます。